日本語教育能力試験とは

日本語教師になるための資格の一つである日本語教育能力試験について紹介しています。

概要

日本語教育能力試験の正式名称は日本語教育能力検定試験です。英語では、Japanese Language Teaching Competency Testと表記されます。日本語教育能力検定試験とは言わずに、日本語教育能力試験や略して能検やJEESと呼称されることがあります。

日本語教育能力試験とは、公益財団法人 日本国際教育支援協会が主催し公益社団法人 日本語教育学会が認定している日本語教育を行う専門家(日本語教師など)として、基礎的な水準に達しているかを検定する試験のことです。

しばしば国家試験(国家資格)と混同されることがありますが、民間試験(民間資格)となっています。

日本語教育能力試験に合格した者は日本語教師の「有資格者」とされます。

目的

日本語教育能力試験の目的は、日本語教員となるために学習している方や日本語教育に携わっている方に必要とされる基礎的な知識・能力を検定することを目的としています。

受験資格

特に制限はされておらず、誰でも受けることが出来ます。

試験地

北海道(札幌)、宮城県(仙台)、東京、愛知県(名古屋)、大阪、広島、福岡

出願の手続きなど

①受験案内(出願書類付き)

出願手続きなどの細かなことは受験案内に記されています。この受験案内は、願書期間中、全国の主要な書店にて販売されています。(要確認)

②出願手続き

願書:所定のものに記載します。(受験案内に付いています)

受験料:10,800円(税込) *2019年の受験料

出願先:公益財団法人 日本国際教育支援協会

試験の概要

日本語教育能力試験は、年1回 実施されています。毎年6月下旬から8月上旬までが出願期間となっており、10月下旬頃に試験(受験票の発送は9月下旬)、結果発表は凡そ2ヶ月後の12月中旬となっています。合格者には合格証(合格証書)が送付されます。

日本語教育能力試験は試験⑴〜⑶の3部構成になっており、午前中に試験⑴、昼休みを挟んで、午後に試験⑵と試験⑶が行われ、試験全体は1日の日程で行われます。

試験は全て筆記(マークシートと記述)で行われ、試験⑴〜⑶の内容は下記の通りとなります。

試験⑴

試験時間:90分

配点:100点

内容:出題範囲の区分ごとに出題され、基礎的分析的知識・能力を問う内容となっています。

問題数:大問15問。

方式:全問マークシート方式。

試験⑵

試験時間:30分

配点:40点

内容:聴解を含み音声に関する知識や能力を問う内容となっています。

問題数:大問6問

方式:全問マークシート方式。

備考:音声を聞いて解答していきます。

試験⑶

試験時間:120分

配点:100点

内容:日本語教師としての総合的な実践力を問う内容となっています。

問題数:大問16問

方式:マークシート方式と記述式(一部)

備考:日本語教師のために覚えた知識を活用して考えて解答する問題が出題され、記述方式で解答する問題の配点が高いと考えられています。

試験の出題範囲

各試験の出題範囲は下記のように発表されていますが、試験ごとによって異なるものの、全ての範囲にわたって出題されることはありません

■ 社会・文化・地域

日本や日本の地域社会が関係する国際社会の実情や国際化に対する日本の国
や地方自治体の政策、地域社会の人びとの意識等を考えるために、下記のような視点と基礎的な知識を有し、それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を有していること。

①世界と日本

諸外国・地域と日本
日本の社会と文化

②異文化接触

異文化適応・調整
人口の移動(移民・難民政策を含む。)
児童生徒の文化間移動

③日本語教育の歴史と現状

日本語教育史
日本語教育と国語教育
言語政策
日本語の教育哲学
日本語及び日本語教育に関する試験
日本語教育事情:世界の各地域、日本の各地域

④日本語教員の資質・能力

■ 言語と社会

言語教育・言語習得および言語使用と社会との関係を考えるために、下記のような視点と基礎的な知識を有し、それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を有していること。

①言語と社会の関係

社会文化能力
言語接触・言語管理
言語政策
各国の教育制度・教育事情
社会言語学・言語社会学

②言語使用と社会

言語変種
待遇・敬意表現
言語・非言語行動
コミュニケーション学

③異文化コミュニケーションと社会

言語・文化相対主義
二言語併用主義(バイリンガリズム(政策))
多文化・多言語主義
アイデンティティ(自己確認、帰属意識)

■ 言語と心理

言語の学習や教育の場面で起こる現象や問題の理解・解決のために、下記のような視点と基礎的な知識を有し、それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を有していること。

①言語理解の過程

予測・推測能力
談話理解
記憶・視点
心理言語学・認知言語学

②言語習得・発達

習得過程(第一言語・第二言語)
中間言語
二言語併用主義(バイリンガリズム)
ストラテジー(学習方略)
学習者タイプ

③異文化理解と心理

社会的技能・技術(スキル)
異文化受容・適応
日本語教育・学習の情意的側面
日本語教育と障害者教育

■ 言語と教育

学習活動を支援するために、下記のような視点と基礎的な知識を有し、それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を有していること。

①言語教育法・実技(実習)

実践的知識・能力
コースデザイン(教育課程編成)、カリキュラム編成
教授法
評価法
教育実技(実習)
自己点検・授業分析能力
誤用分析
教材分析・開発
教室・言語環境の設定
目的・対象別日本語教育法

②異文化間教育・コミュニケーション教育

異文化間教育・多文化教育
国際・比較教育
国際理解教育
コミュニケーション教育
異文化受容訓練
言語間対照
学習者の権利

③言語教育と情報

データ処理
メディア/情報技術活用能力(リテラシー)
学習支援・促進者(ファシリテータ)の養成
教材開発・選択
知的所有権問題
教育工学

■ 言語一般

教育・学習の対象となる日本語および言語一般について下記のような知識・能力を有し、それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を有していること。

①言語の構造一般

言語の類型
世界の諸言語
一般言語学・日本語学・対照言語学
理論言語学・応用言語学

②日本語の構造

日本語の構造
音声・音韻体系
形態・語彙体系
文法体系
意味体系
語用論的規範
文字と表記
日本語史

③コミュニケーション能力

受容・理解能力
言語運用能力
社会文化能力
対人関係能力
異文化調整能力

合格率

合格率は20%〜25%前後で推移しています。